嘔吐恐怖症
共感してもらえる人がどれだけいるのか、わからないけど文字に起こしてみる。
発症のきっかけが起こった当時のことを思い出そうとしても、恐怖の理由ってなかなかわからない。ただ、嘔吐体験をして、その嘔吐体験とその後の記憶から「こわい」と結びつけてしまうのかなあ。
小学3年生の5月ごろ、いつもどおり夜ご飯を食べたら、おなかに食べ物がある感覚が強くあった。いつもと少し違うと思い、母にそのことを話してみた。だが、母は特別気にとめることなかったため、自分の中でもさほど気にせずその日は床についた。21時前だったと思う。
その後、22時半頃に目が覚めた。胸元あたりに気持ち悪さを感じつつも、なんとなくトイレに行きたい気がして、用を足す(お小水)。
そのときだった。
ゲポッッ。
なまあたたかく、液体のようなものが口の中に侵入してきた。
なんだこれは…?
(幼稚園生のときも嘔吐経験はしているので、逆流してきたんだと理解はしていた。ただ、ものがわかるようになってきた年齢であるがゆえの新鮮さだったんだと思う。)
おどろき、母のいるリビングまで駆けおりる。母は寝ていた。たたき起こす。
ゲボが口の中にあることを伝えると、洗面台に吐き出すよう言われる。
ひとくち分のおゲボさんだった。
(今考えると、トイレの方がよかったのでは?と思う。吐き出したものを、母が固形物は割り箸で拾い上げていた記憶がある。母は偉大すぎる。)
その後、落ち着いたのも束の間、おなかの中から勢いを感じる。
(ゴォォオオオ……グルングルン…………)
第二波がおそってきた。母に伝えると、あわててゴミ袋を持ってきてくれた。わたしの前で持っていてくれたため、わたしはおなかからくる莫大なエネルギーを、小さなくちから何度も放出した。
吐いているときは、なにがなんだかよくわからなかった。ただ、熱くて強烈なにおいのある液体が体からどれだけでも上がってくるので、吐き出すしかなかった。
そんなこんなで、その夜は終わり、翌日は学校を休んだ。
数日がたち、元気になった私は学校に行き始めた。
(ここからは、曖昧に曖昧を重ねている。ゆめなのかうつつなのか、自分の中でつくっている部分はないのか、ずっと自問自答しながら書いてる。)
学校から帰ってきて、一人でお留守番をしていた。その後、リビングにいた私はうたた寝をはじめるが、目が覚めると猛烈な不安に襲われていた。じきに私はえんえんと泣きはじめた。
このときは、当時はまっていたアニメの怖いシーン(とあるキャラクター)をリアルに思い浮かべて、なおその怖いものが部屋の隅にあると思いこんで、それにひたすらおびえて、泣いていた気がする。その怖いもの、に嘔吐も関係していた気が。
母親と連絡を取りたいが、自宅の電話が上手く使えず、自宅近くの公衆電話まで行ったりした。
お留守番をはじめたくらいだったので、ただ一人で寂しかったのか、もしくは数日前の嘔吐が自分の中で強烈な体験だったのか、なぜそんなにもおびえていたのかは、わからない。
これ以降、今に至るまで、一度も嘔吐はしていない。できない。